先端数理科学 I(2008年度)

芸術の中の数理

授業内容
本科目の目的は文理融合を目指した大学院講義であり,研究科間を超えた形で講義することを目的としている。
美や芸術を数理的に探る立場と,数理的手法を利用して美や芸術を作る立場の両方から,芸術と数理の関係を考え,コンピュータが自由に使えるこれからの時代の芸術の方向を探る。
授業計画
認知科学,心理学,脳科学,数理工学,数学の分野で活躍している講師陣を招いて,学際的視点から,オムニバス形式で行う。各回の具体的講義内容および講義に招く講師陣の紹介等は,ポスター等により事前に掲示する。
ポスターを公開しました。下記のリンクよりダウンロードください。
プログラム
明治大学 各研究科博士後期課程横断型カリキュラム プロジェクト系科目
先端数理科 I 「芸術の中の数理」

美や芸術を数理的に探る立場と,数理的手法を利用して美や芸術を作る立場の両方から,
芸術と数理の関係を考え,コンピュータが自由に使えるこれからの時代の芸術の方向を探る。

2008年9月9日(火)
 2時限 10:30 - 12:00
杉原厚吉(東京大学大学院情報理工学系研究科数理情報学専攻)
「不可能図形とその立体化」  
概要: エッシャーの作品などに使われている不可能図形を取り上げ,その描き方を数理的に考察すると同時に,それを立体として実現する方法と,新しい立体アートの可能性についても考える。

講師略歴:
東京大学大学院工学系研究科計数工学専門課程修士課程を修了後,電子技術総合研究所,名古屋大学などを経て,2001年4月より東京大学大学院情報理工学系研究科数理情報学専攻教授。
専門は,幾何数理工学。絵を理解するコンピュータを開発する中で,だまし絵の中に立体として作れるものがあることを見つけ,そのような立体の収集をはじめた。

 3時限 13:00 - 14:30
三村昌泰(明治大学先端数理科学インスティテュート)
「自然が生み出す美の数理的仕組み」

 4時限 14:40 - 16:10
三谷 純(筑波大学大学院システム情報工学研究科 コンピュータサイエンス専攻)
「ペーパークラフト、飛び出す絵本、折り紙」
概要: ペーパークラフトや飛び出す絵本,折り紙は,使用する素材が紙であるために作成可能な形に制約がある。これらの制約の中で,どのようにして目的の形を作るのか,コンピュータ技術を使った新しいアプローチを取り上げる。

講師略歴:
2004年,東京大学大学院博士課程修了。同年,独立行政法人理化学研究所基礎科学特別研究員。2005年,筑波大学大学院コンピュータサイエンス専攻講師。今に至る。
コンピュータグラフィックスにおける形状モデリングの研究に従事。紙で形を表現する紙模型や折り紙に興味を持ち,この分野へのCG技術の応用を試みている。

 5時限 16:20 - 17:50
近藤邦雄(東京工科大学メディア学部)
「見ること、描くこと、作ること」
概要: 人は対象物を見ながら,2次元画像を描き,さらに描いた形状を理解することができる。これらの関係を解説し,絵画や透視図の描画方法と分析方法,およびスケッチから立体を制作するための手法を紹介する。

講師略歴:
名古屋工業大学第 II 部卒業名古屋大学,東京工芸大学,埼玉大学を経て,2007年4月より東京工科大学メディア学部教授,専門はコンテンツ工学。コンピュータグラフィックスの技術開発を行うなかで,ひとが絵画をどう見るか,どう描くかについて興味を持つ。さらにデザイナーの描くスケッチを分析して対話的なスケッチインタプリターシステムを開発している。

2008年9月10日(水)
 2時限 10:30 - 12:00
阿原一志(明治大学理工学部 数学科)
「タイリングアートと双曲幾何学」
 
 3時限 13:00 - 14:30
宮下芳明(明治大学理工学部情報科学科)
「ディジタルアート、エンターテイメント・コンピューティング」
 
 4時限 14:40 - 16:10
北岡明佳(立命館大学文学部人文学科心理学専攻)(特別講演)
「錯視・数学・美」
概要: 「錯視は美しい」ということは心理学者はあまり言わないようにしてきたことなのであるが,それが真実であることはそろそろ隠しようもなくなってきたように思われる。本講演では,錯視における数学と美を例を挙げて説明し,これらの関係を考察する。

講師略歴:
1961年高知県生まれ。1991年,筑波大学大学院博士課程心理学研究科修了,教育学博士。1991年から2001年まで,財団法人東京都神経科学総合研究所(現在の財団法人東京都医学研究機構)に勤務。2001年より,立命館大学文学部助教授,2006年より同教授,現在に至る。現在の専門は知覚心理学。特に,錯視の実験心理学的研究と,錯視デザインの創作を得意としている。2002年に開設したウェブページ「北岡明佳の錯視のページ」には,日本語版・英語版ともに多くのアクセス数がある。2006年,第9回 ロレアル 色の科学と芸術賞の金賞を受賞。
著書に,「トリック・アイズ」シリーズ(2002~2008年,カンゼン),「現代を読み解く心理学」(2005年,丸善),「だまされる視覚 錯視の楽しみ方」(2007年,化学同人)がある。また,ニュートンムック別冊「脳はなぜだまされるのか? 錯視完全図解」(2007年)の監修を行なった。

2008年9月11日(水)
 2時限~5時限
玉木久夫(明治大学理工学部情報科学科)
「演習」
概要: 各講師に提案していただいたテーマから履修者各自が一つ選択して演習を行います。

会場
秋葉原サテライトキャンパス
会場案内はこちら
講座の模様をレポートしました。下記のリンクよりご参照ください。
9月9日 2時限目   杉原厚吉「不可能図形とその立体化」
3時限目   三村昌泰「自然が生み出す美の数理的仕組み」
9月10日 4時限目   北岡明佳「錯覚・数学・美」

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