所長挨拶

所長就任

写真:先端数理科学インスティテュート所長 西森拓

明治大学先端数理科学インスティテュート 所長
西森 拓

令和5年4月着任

 本年4月にMIMS所長を拝命しました。三村昌泰初代所長、萩原一郎先生、杉原厚吉先生、俣野博先生を経て、MIMS第五代目の所長となります。
 MIMSは2007年に明治大学研究・知財戦略機構の最初の附置研究機関として設立され、翌年、文部科学省のグローバルCOEプログラム「現象数理学の形成と発展」に採択されました。2013年には現象数理学拠点としてのCMMAを設置、2014年には、MIMS/CMMAは、文科省の全国共同利用・共同研究拠点として認定を受け、2020年の拠点更新認定を経て現在に至っています。

 MIMS/CMMAは同様の全国共同利用・共同研究拠点の中では比較的小規模にとどまりますが、数学、数理科学分野において全国で3番目に拠点として認定されて以来、幸いにも、他の研究拠点に劣らないアクティビティを維持してきました。これは三村初代所長が掲げたミッション〜現象数理学の推進〜のユニークさに由来すると私は考えております。
 従来、数学・数理科学の一般社会への貢献は、社会の生産性につながる科学技術を、すでに確立された数学的知見を通じて支えること、いわば「縁の下」から間接的に社会に貢献するという面が大きかったように思われます(もちろんアラン・チューリングによるエニグマの解読などの例外はあります)。

 一方で、現象数理学は、数理モデルを介して自然、生命、社会諸現象の解明を目指す学問であり、その推進には異分野融合が欠かせません。実際、MIMSが関連する共同利用・研究研究の多くは、生命科学、文化人類学、心理学、経済学など多岐にわたる分野と数理科学の研究者の協働によって進められ、近年は、言語、民話などの各種文化形質の空間分布からその伝播過程の推定する手法の提案など、文理の枠を超えた成果が上がっております。また、近年著しい進化をとげた生成AI(Chat GPTなど)と人間の付き合い方が社会的課題になりつつあるように、今後、人類が直面する新しい問題への対処には、生産の効率性にとどまらず人間の性質そのものを考慮した文理融合の推進が求められている状況です。MIMSとしては、現象数理学を介して異分野間の協働を進めることで、数理科学および人類の知恵の地平を広げるととともに、これらを支える数学的基盤の整備も推進したいと考えております。

 MIMSとしてのユニークな活動をこれからも展開するためには、所員・研究員、事務スタッフの他に、先端数理科学研究科、外部運営委員、内外の協力大学・機関など、広範なスタッフや組織のご協力が欠かせません。皆様のご理解ご助力の下、今後とも、MIMSの発展に尽くしていきたいと思います。何卒よろしくお願い申し上げます。



退任の挨拶



写真:俣野博教授

 杉原厚吉第3代所長の後を受けて、2019年4月から2023年3月までの4年間、MIMS所長を務めさせていただきました。当初は1年か2年で他の方に交代するつもりでおりましたが、気がつけば4年が経っていました。この間にMIMSでは、さまざまな大きなできごとがありました。一年目の2019年は、MIMSを運営母体とする文部科学省共同利用・共同研究拠点「現象数理学拠点」の6年間の事業期間の最終年度でした。幸い、期末評価で最高のS評価を受けて拠点事業を2025年度まで継続することが認められました。翌2020年は、社会全体がコロナ禍に見舞われ、MIMSの多くの事業も大きな見直しを余儀なくされた年でした。未曾有の社会状況の中で、手さぐりで一つずつ問題を解決していきました。一方で、オンラインを活用した新しいプログラムを幾つか立ち上げることができたのは,プラスの側面でした。

 翌2021年4月に,MIMSの生みの親であり初代所長の三村昌泰先生がお亡くなりになり、一同大きな衝撃と悲しみに包まれたのを覚えています。海外からも逝去を惜しむ声が数多く届き、三村先生の国際的な人望の厚さを改めて感じました。この4年間,他にもさまざまなことがありましたが、何とか乗り切ることができたのは、MIMSの活動を支えてくださっている多くの皆さまのご協力・ご尽力の賜であると感謝いたしております。この四月から、西森拓新所長の新しい方針の下に、MIMSがますます発展されんことを願っております。

令和5年4月

明治大学先端数理科学インスティテュート 前所長
俣野 博



退任の挨拶

写真:杉原厚吉教授

 三村昌泰初代所長、萩原一郎第2代所長の後を引き継いで、2017年4月から2019年3月までの2年間、MIMS所長を務めさせていただきました。この間、現象数理学の推進というMIMS設立当初からの任務に加えて、文部科学省から認定された「現象数理学研究」共同利用・共同研究拠点事業の運営、およびやはり文部科学省から選出された私立大学研究ブランディング事業「数理科学する明治大学」の研究推進の3本柱で活動を展開してきました。特筆すべきこととしては、現象数理学三村賞を設立し、その第1回、第2回の受賞者を選考して賞を授与したことなどがあげられます。MIMSは小さな所帯でたくさんの行事をこなさなければならない組織ですが、その任務を遂行できたのは、ひとえにMIMS所員、MIMS研究員、MIMS事務員の方々から献身的なサポートをいただくことができたからであり、心から感謝しております。この四月からは、俣野博新所長の新しい運営方針に基づいて、MIMSがますます発展されることを祈念しております。

平成31年4月

明治大学先端数理科学インスティテュート 前所長
杉原 厚吉



退任の挨拶

写真:萩原一郎教授

 三村昌泰MIMS初代所長の後を受けて2015年4月~2017年3月までの2年間MIMS所長を務めさせて頂きました。MIMSは2014年には数理科学領域で、京都大学数理解析研究所、九州大学マス・フォア・インダストリ研究所に次いで3校目、私立大学としては初の全国共同利用・共同研究拠点に選出されました。このことからも学内外で一層MIMSが注目されている実感の中、更に、昨年8月締め切りの私立大学研究ブランディング事業の応募資料の作成もあり、忙しい中、とても充実した2年間でした。2012年4月にMIMS にお世話になり3年過ぎたばかりの私がこの身に余る任を果たすことができましたのも初代所長、杉原厚吉副所長始め皆様のご教示のおかげと深く感謝します。このあとも副所長として、また、ブランディングの「産業イノベーションをもたらす折り紙工法の幾何学モデルからの貢献」のグループ長その他で、微力ながらMIMSの更なる発展に、また本学に貢献できましたら幸いです。今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。

平成29年5月吉日

明治大学先端数理科学インスティテュート 前所長
萩原 一郎



退任の挨拶

写真:三村昌泰教授

謹啓 若葉の季節を迎え、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼を申し上げます。
 さて、明治大学先端数理科学インスティテュート(MIMS)は昨年4月に文部科学省から共同利用・共同研究拠点として認可を受けました。まだ1年ですが、我々の力以上に満足すべき活動が得られましたのも、皆さまの弛まないご教示、ご協力の賜物と深く感謝しております。さて、三村は、2007年にMIMSが開設され、2008年から5年間の文部科学省グローバルCOEプログラム、そして共同利用・共同研究拠点開設に至り、また、その後の1年と計8年間に亘り、所長を務めてまいりました。MIMSのさらなる飛躍のためにも、組織のダイバーシティも重要と考え、2015年3月をもって所長を退任する事にしました。ここに、長きに亘り、サポート頂きました皆様方に感謝申し上げます。今後は副所長として新所長をサポートして行く所存です。今後も、変わらずMIMSのことを宜しくお願い申し上げます。

謹白

平成27年5月吉日

明治大学先端数理科学インスティテュート 初代所長
三村 昌泰


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