理念・組織

理念

明治大学先端数理科学インスティテュートの設置について

本学は,社会とのかかわりを重視した数理科学の発展・普及を図ることを目的とするとともに,社会及び自然に係る現象の数理的解析を課題とする国際的研究拠点として,研究・知財戦略機構の下に,明治大学先端数理科学インスティテュート(英文名「Meiji Institute for Advanced Study of Mathematical Sciences」,初代所長:三村昌泰 理工学部専任教授(就任時))を設置しました。
先端数理科学インスティテュートは,基盤数理部門(代数学・幾何学・解析学),現象数理部門(データ解析・シミュレーション解析・数理解析),教育数理部門(数学史・数学教育),先端数理部門(先の部門に関連するプロジェクト研究),融合研究部門(分離融合研究)を置き,各種研究活動の推進,数理科学研究者及び高度専門職業人の養成,本学及び地域社会からのニーズに基づく研究支援活動及び啓発教育活動,学内外の研究機関等との連携活動を行っていきます。

組織

組織図 先端数理科学インスティテュート 共同利用共同研究拠点運営委員会 教育数理部門 現象数理部門 基盤数理部門 先端数理部門 文理融合研究部門 現象数理・ライフサイエンス融合部門 計測技術と数理の融合研究プロジェクト 錯覚と数理の融合研究プロジェクト 生物と数理の融合研究プロジェクト 社会と代数構造の数理の融合研究プロジェクト 人とデジタル製造と数理の融合研究プロジェクト 折紙工学の産業化プロジェクト

 



2018年度融合研究プロジェクト


計測技術と数理の融合研究プロジェクト

Interdisciplinary Research Project for Mathematical Sciences and Measurement Technologies

目的:

 高度な計測と数理の融合によって、自然科学と社会における諸課題解決につなげることを目指し、統計科学・数理科学の観点から計測諸分野の研究者との共同研究を進める。特に本プロジェクトでは、諸分野間のハブの役割を果たすことで、各課題に共通する問題の発見とその解決のための原理の構築につなげることを目指す。

研究の概要:

 生命科学、地球物理学、流体工学といった諸分野の計測における課題を持つ研究者との共同研究を実施する。そのために、CREST・さきがけ複合領域「情報計測」の研究者を中心とした関係分野研究者との共同研究集会の開催、ならびに分析研究と手法構築の共同実施を行う。

設置期間:さきがけ研究が終了する2021年3月末日まで。

プロジェクト・リーダー:中村和幸(明治大学総合数理学部教授)



錯視の心理的・数理的アプローチの融合研究プロジェクト

Collaborative Research Project for Psychological and Mathematical Approaches to Visual Illusion

目的:

 科学研究費補助金基盤研究(A)「視覚の心理・数理モデリングと第5世代不可能立体」の研究活動拠点として、人の視覚認識現象の仕組みを心理的側面も重視した数理モデルを通して理解するとともに、新しい立体錯視現象を探求する。

研究の概要:

 心理学的知見を取り入れた立体知覚の数理モデルを構築し,それから予測される視覚効果を確かめることによって,多様な新しい不可能立体のクラスを創作する。そしてそれを,環境誤認から生じる事故の軽減,映像文化が持つ3次元表現の危うさの回避などへ応用すると同時に,立体錯視を積極的に利用した新しいエンタテインメントと芸術表現の可能性も追及する。それと平行して、視覚の基本機能についての数理モデリングを通した錯視の探求もおこなう。

設置期間:科学研究費補助金基盤研究(A)が終了する2019年3月末まで。

プロジェクト・リーダー:杉原厚吉(明治大学研究・知財戦略機構特任教授)



生物と数理の融合研究プロジェクト

Interdisciplinary Research Project for Mathematical Sciences and Biology

目的:

 2015年からフランス国立科学センター(CNRS)の国際研究協力事業(International Research Network(GDRI))において、フランス、日本に加えて韓国、台湾の研究機関が参加することから、生物、化学、医学システムに現れる複雑現象の数理的理解を国内外の研究機関と共同研究を行うことを目的とする。

研究の概要:

 生物系、生命系、医学系、化学系に現れる複雑現象をモデリング、シミュレーションそして数理解析を駆使することから、解明するとともに、そのための理論開発を日本(MIMS、東京大学大学院数理科学研究科)、フランス(パリ南大学、グルノーブル大学)、韓国(KAIST)、台湾(国立理論科学センター)の研究機関が連携して推進する。

設置期間:GDRI事業が終了する2018年12月まで。

プロジェクト・リーダー:三村昌泰(武蔵野大学特任教授 / 明治大学学長特任補佐)


 

社会と代数構造の数理の融合研究プロジェクト

Pan-Pacific Collaborative Research Project for Algebraic Structures

目的:

 日本学術振興会二国間交流事業(共同研究)「可換環論におけるホモロジー代数的手法と組合せ論・幾何学への応用」の研究活動拠点として,VAST(Vietnam Academy of Science and Technology)を主な伴侶としながら,環太平洋の組織的共同研究体制を構築し,国際レベルでの社会への普及と定着を目指す。

研究の概要:

 可換環論は代数学の新興の分野の一つである。19世紀末,不変式論の研究を通してD. Hilbertによって創始され,その後E. Noetherによる代数学の高度の抽象化の中,確立された分野として独立し,20世紀半ばJ.-P. Serreがホモロジー代数学を導入して以来,飛躍的な発展を示すに至った。20世紀後半から今世紀に至る60年間,環と加群のCohen-Macaulay性解析を中心課題に成熟している。この発展には本共同研究への参加者を含む日本・ベトナム両国研究者の寄与も大きい。現在では,代数幾何学・特異点論・数論・不変式論・代数的組み合わせ論などにおける基本言語の一つであるだけではなく,物理学や統計学とも深く関わりながら進展を続けている。現代可換環論の多岐に渡る分野の中でも,日本発あるいはベトナム発の研究であって,目下急速な展開を示しつつある課題(Almost Gorenstein環の基礎理論,Hilbert函数とHilbert係数解析を手法とする局所環論,イデアルの冪の漸近挙動,Sequentially Cohen-Macaulay環・FLC環など非Cohen-Macaulay環と加群の構造)の解析を行う。

設置期間:二国間交流事業(共同研究)が終了する2019年3月末まで。

プロジェクト・リーダー:中村幸男(明治大学理工学部専任教授)


 

人とデジタル製造と数理の融合研究プロジェクト

Interdisciplinary Research Project for Mathematical Sciences, Human, and Digital Fabrication

目的:

 個人が、本当に欲しいと思う物を自らデザインし、作ることを支援するためのクリエイティブインタラクション技術の研究開発を数理科学との融合により行う。近年の3Dプリンタに代表されるデジタルファブリケーション技術の発展により、一般の人が物の製造を比較的簡単に行うことができるようになってきた。しかし、一般の人が、本当に満足できる物を自分でデザインすることは難しい。本研究では、人の感性の数理モデルに対して、インタラクティブな技法を導入し、各個人の嗜好を反映した最適な物体デザインを行うための方式を研究開発する。これにより、これまでの大量生産・大量廃棄が行われてきた消費社会を改め、人々が心から満足できる物を手に入れ満ち足りた生活を送ることができる社会の実現を目指す。

研究の概要:

 人が一般に欲しいと思う物のデザインは統計的に推定できるが、個人各々が欲しいと思う物は、その人の意思をデザインシステムに反映する必要がある。また、個人の満足感は、他者の評価や提案などに影響を受ける。本研究では、デザインに対する人の感性の数理モデルに対して、インタラクティブな技法を導入し、各個人の意思を反映した物体デザインを行う。この際、対話型進化計算などの機械学習的手法を取り入れ、数理モデルと利用者の意思入力から最適なデザインを推定する方法、利用者の意思をシステムに効果的に反映できるインタフェース、他者の評価や提案を感性の数理モデルに動的に取り入れる方法などを研究する。

設置期間:COI事業の中間評価2020年3月まで。

プロジェクト・リーダー:荒川 薫(明治大学総合数理学部教授)


 

折紙工学の産業化プロジェクト

Industrialized Project based on Origami engineering

目的:

 高度な折紙幾何学と計算科学シミュレーション及び製造科学の融合により、折紙構造の産業化のための課題解決につなげることを目指し、折紙幾何学と計算科学の観点から製造分野の研究者・技術者との共同研究を進める。特に本プロジェクトでは、諸分野間のハブの役割を果たすことで、各課題に共通する問題の発見とその解決のための原理の構築、それに基づく折紙構造の産業化につなげることを目指す。

研究の概要:

 日本伝統の折り紙を産業化する折紙工学は大いに期待されたが、高価な製造費も許容される宇宙産業以外では、未だ十分な産業化はなされていない。この困難な原因は紙では首尾よくできても、厚紙、樹脂、金属では、

  1. 収縮後の安定性維持困難
  2. 展開後の安定性維持困難
  3. 一般の構造より複雑な折紙構造の、安価にしてしかも本来の機能を適切に付与した上での製造法が困難

なことによる。
  MIMS折紙工学グループでは、これらを解決する技術開発を行い、過去3年に次のような特許を出願している。

  1. 上記1)に対して:萩原一郎、奈良知惠、古原徹、容器、特願2017-201993(出願日: 2017年10月18日)
  2. 上記2)に対して:萩原一郎、奈良知惠、折り畳み構造物、特願2015-245594号(出願日: 2015年12月16日)、公開番号2017-110315(公開日:2017/6/22)
  3. 上記3)に対して: 萩原一郎、趙希禄、衝撃吸収体の製造装置および衝撃吸収体の製造方法、特願2017-089216(出願日: 2017年4月28日)

 これらの特許をベースに国内外の研究者や関連企業と共同研究を進める。具体的には、1)に関して、飲み干した飲料容器の折り畳み、2)に関して、段ボール箱の折畳み、3)に関して、折紙構造でエネルギー吸収する落石防護柵、等で企業との共同研究を進める。

設置期間:共同研究が終了する2019年3月まで。

プロジェクト・リーダー:萩原一郎(明治大学研究・知財戦略機構特任教授)

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