先端数理科学 II(2010年度)

錯覚と数理

授業内容
「錯覚」とは,人の知覚・認知において,物事を事実とは異なるように理解する現象で,その仕組みはいまだにわかっていない部分が多い。本科目では,この錯覚を取り上げて,現象の観察,仕組みの理解,生活の中での利用法などについて考える。特に,錯覚を単なる五感の現象として捉えるのではなく,コミュニケーションにおける誤解や,広告につられる不合理な購買行動なども含めて広く捉え,そこに横たわる共通の原理を探す。と同時に,その現象・仕組みを日常生活や社会全体の安全性を高めるために使えないか,および、エンターテイメントに利用して豊かな生活作りに貢献できないかなどについても考える機会を作る。
  本科目では,主に次のような錯覚を取り上げる。視覚の分野では,形や色に関する知覚,立体に関する知覚,動きに関する錯覚などを含め,錯視現象の観察,その仕組みの数理的なモデリング,新しい錯視図形の設計法などを論じる。コミュニケーションの分野では,コンピュータと人の対話を含めた対話における錯覚の役割と利用法を論じる。行動経済学の分野では,広告と購買行動の関係などを数理的視点から論じる。
授業計画
心理学,情報科学,行動経済学,知能情報学,数理科学,数理工学などの分野で活躍している講師陣を招いて,広義の錯覚に関して,分野横断的視点からオムニバス形式で授業を行う。
ポスターを公開しました。下記のリンクよりダウンロードください。
プログラム
明治大学 各研究科横断型カリキュラム プロジェクト系科目
先端数理科学 II 「錯覚と数理」
コーディネーター:杉原厚吉(明治大学研究・知財戦略機構特任教授)

2010年12月6日(月) ~ 9日(木)

2010年12月6日(月)
 10:30 - 12:00 杉原厚吉(明治大学) 錯覚からみたエッシャー芸術の数理
 13:00 - 14:30 高橋成雄(東京大学)
ビジュアリゼーションにおける錯視の役割と効果 I
 14:40 - 16:10 高橋成雄(東京大学)
ビジュアリゼーションにおける錯視の役割と効果 II
 16:20 - 17:50 原島 博(東京大学 名誉教授)
コミュニケーションにおいて錯覚は悪いことなのだろうか


2010年12月7日(火)
 10:30 - 12:00 竹内龍人(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
動きの錯覚をもたらす脳の仕組み I
 13:00 - 14:30 竹内龍人(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
動きの錯覚をもたらす脳の仕組み II
 14:40 - 16:10 新井仁之(東京大学) 数学でせまる錯視の謎 I
 16:20 - 17:50 新井仁之(東京大学) 数学でせまる錯視の謎 II

2010年12月8日(水)
 10:30 - 12:00 大庭昭彦(野村證券金融工学研究センター)
金融における錯覚の研究~行動ファイナンスとその周辺 I
 13:00 - 14:30 大庭昭彦(野村證券金融工学研究センター)
金融における錯覚の研究~行動ファイナンスとその周辺 II
 14:40 - 16:10 奈良高明(電気通信大学) 錯触の数理 - 触覚の錯覚 - I
 16:20 - 17:50 奈良高明(電気通信大学) 錯触の数理 - 触覚の錯覚 - II

2010年12月9日(木)
 10:30 - 12:00 杉原厚吉(明治大学) 不可能モーションの数理
 13:00 - 14:30 出澤正徳(電気通信大学 名誉教授) 錯視と3次元知覚
 14:40 - 16:10 出澤正徳(電気通信大学 名誉教授) 錯視と錯覚のメカニズム
会場
明治大学 駿河台校舎 紫紺館3階会議室
会場案内はこちら
備考
本科目は博士後期課程学生対象ですが,博士前期課程学生の参加も歓迎いたします。正規の履修生のほか,聴講のみの参加(他大学学生も可)も受け付けます。
※ 聴講料不要・事前申込不要

遠方から聴講を希望する学生には旅費等の援助を行いますので,希望する場合は事前に gcoe@mics.meiji.ac.jp までご連絡ください。

問い合わせ先:
明治大学教務事務部大学院事務室
〒101-8301 千代田区神田駿河台1-1 TEL: 03-3296-4368
E-mail: dai_in@mics.meiji.ac.jp

後援:
明治大学グローバルCOEプログラム「現象数理学の形成と発展」
明治大学先端数理科学インスティテュート

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