先端数理科学 B(2012年度)

医学と数理

授業の概要・到達目標
 数理モデルは医学の分野においても広く用いられている。例えば,古くから感染症の流行に関しては数理疫学的研究がなされている。個体群動態モデルに基づいて基本再生産数を見積もることで流行予測が可能になる等,社会的な貢献という観点からも重要な研究分野である。また,神経生理学に端を発した数理的研究により,生体内における電位の伝播を数理モデルによって理解することが可能になった。現在,心臓の活動と電位の伝播の関係に注目し,心臓疾患の理解を数理的な側面から行う試みがなされている。さらに,形態形成過程を理解する上で重要なチューリングメカニズムが実際に生物に備わっている事例が,細胞や分子レベルの実験によっていくつか報告されている。理論によって提唱された機能が,実験技術の向上によって観測されるようになり,現象を理解する上で理論と実験が相補的に役割を果たした一例である。本科目では,理論と実験,実証の広い視点から講義を行い,数理的研究が医学や人体を理解する上でどのような役割を担ってきたのかを理解することが目的である。
授業内容
 本科目では医学と深い関わりを持つ分野として,主に次のような話題を取り上げる。感染症の分野では,感染症流行や伝播,免疫系に関して論じる。生理学の分野では,神経系や心臓における興奮性に関して論じる。形態形成分野では,細胞レベル,分子レベルの実験結果とチューリングメカニズムの関係性について論じる。
ポスターを公開しました。下記のリンクよりダウンロードください。

プログラム
明治大学大学院 各研究科横断型カリキュラム プロジェクト系科目
先端数理科学 B 「医学と数理」

コーディネーター:池田 幸太(明治大学大学院先端数理科学研究科特任講師)

2012年12月18日(火)~ 12月21日(金)

12月18日(火)
10:00 -10:10池田幸太(明治大学)
「全体趣旨説明」
10:10 -11:40中根和昭(大阪大学)
「現象を記述する数学」
13:30 -15:00中根和昭
「ホモロジーと組織」
15:10 -16:40中根和昭,池田幸太
「演習」

12月19日(水)
10:00 -11:30三浦 岳(京都大学)
「Gradient modelとその展開」
13:30 -15:00三浦 岳
「Turing instabilityとその応用」
15:10 -16:40三浦 岳
「Phase field法とは」
16:50 -18:20三浦 岳,池田幸太
「演習」

12月20日(木)
10:00 -11:30西浦 博(香港大学)
「感染症流行の数理モデル(1)」
13:30 -15:00西浦 博
「感染症流行の数理モデル(2)」
15:10 -16:40西浦 博
「感染症流行の数理モデル(3)」
16:50 -18:20大森亮介(香港大学)
「演習」

12月21日(金)
10:00 -11:30西浦 博
「感染症流行の数理モデル(4)」
13:30 -15:00西浦 博
「感染症流行の数理モデル(5)」
15:10 -16:40西浦 博
「感染症流行の数理モデル(6)」
16:50 -18:20大森亮介
「演習」

会場
明治大学 生田キャンパス 第二校舎A館4階401・402教室
会場案内はこちら
備考
全日,演習においてノートPCを使用します。各自持参のうえ,受講ください。

(旅費助成について【対象:他大学学生】)
本科目は博士後期課程学生対象ですが,博士前期課程学生の参加も歓迎いたします。
正規の履修生のほか,聴講のみの参加(他大学学生も可)も受け付けます。
なお,遠方から聴講を希望する学生には旅費等の援助を行いますので,
希望する場合は12月10日(月)までにgcoe@mics.meiji.ac.jp までご連絡ください。
※旅費等の援助は本学予算によって運営しているものであり,
全ての方への援助をお約束するものではありませんので,予め,ご了承ください。


問い合わせ先:
明治大学教務事務部大学院事務室
〒101-8301 千代田区神田駿河台1-1 TEL: 03-3296-4368
Email: dai_in@mics.meiji.ac.jp

後援:
明治大学グローバルCOEプログラム「現象数理学の形成と発展」
明治大学先端数理科学インスティテュート

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