明治大学先端数理科学インスティテュート(Meiji Institute for Advanced Study of Mathematical Sciences = MIMS、三村昌泰所長)と、イタリア学術研究会議応用数学研究所(The Istituto per le Applicazioni del Calcolo “M. Picone” = IAC、ミヒール・バーチ所長)は10月28日、駿河台校舎リバティタワーで、学術研究および高等教育の国際化に向けた協定を締結した。
これは、若手を含む研究員の交流、出版、共同研究プロジェクトに関して、効果的かつ互恵的協力を拡張し、高等教育および研究交流の相互発展を目的としたもの。
MIMS と IAC は本年3月4日、研究者の交流やポスドクの派遣・受け入れなどに関する覚書を締結していたが、今回の協定締結で一層の学術研究発表や共同研究プロジェクトが推進されることになったとして、同覚書を発展的に解消した。
調印後、三村所長は「協定締結を喜ばしく思う。今後具体的な研究交流をさらに進めたい」と期待を述べ、バーチ所長も「今回の協定で、自然現象、社会現象に対する数理科学研究が大きく前進した。今後も活発な研究交流で、数理科学分野の発展を願っている」と語った。
勝悦子副学長(国際交流担当)の来賓あいさつに続き、グローバルCOE の連携大学から楯真一広島大大学院理学研究科教授も祝辞を述べた。
MIMS の学術連携はこれまで IAC のほか、フランス国立社会科学高等研究院社会数理解析センター、ベトナム・ハノイ数学研究所、台湾國立陽明交通大学数学建模科学計算研究所、マドリード・コンプルテンセ大学学際数学研究所とすでに研究交流に関する覚書を締結しているが、より具体的な研究交流に向けた協定は今回が初めて。
IAC は、イタリア学術研究会議(CNR)のもと1927年に創立された数学研究所で、ローマ、バーリ、フィレンツェ、ナポリに研究拠点をもつ最大の研究機関。社会や産業と大きく関連した学際的な背景や問題を解決するため、数学的、統計的、計算を駆使した非常に進歩的な方法の開発を使命としている。